薬について~チャラカサンヒターより~

アーユルヴェーダは健康を目的とし、ヴェーダーンタはモークシャを目的とするので、同じサンスクリット語でも意味や使い方が違う場合もあり、また目的が違うので教えも違います。

それを知ったうえで、今回のチャラカサンヒターを読んでいくクラスで、興味深いシーンがありました。

鎮静のための薬は神に依存するものと理にかなったもの 、精神には知識、学識、忍耐力、記 憶力、瞑想が除去するものと なる。(1章58加藤幸雄先生訳) 

*知識には、専門的な分野の知識や技術(ヴィジュナーナ)と、精神的そして霊的に人間を高める知識 (ジュナーナ)2 種類がある。ここでは精神的なドーシャに対してジュナーナとヴィジュナーナを得る べきであると言っている。 

 

*身体的なドーシャから発症する病気は 2つの方法のうちの 1つで克服することができる。1つは祭式 など縁起のよい宗教儀式に頼ることである。それは即座にそして最少の努力で病気を軽減するのでより 効果的である。もうひとつの方法は、身体に基づく治療に頼ることである。それは適切な薬、適切な食 事、適切な生活法である。そのような治療のいくつかは病気のもととなるドーシャを排除し、いくつか はドーシャを鎮静する。精神的なドーシャが関係するものは、神聖な知識、処世術のような、この世の 中をよりよく生きるための知恵、忍耐力、記憶力、瞑想によって緩和することができるのである。(解説・加藤幸雄先生)